手首が動かしにくい
結果をもとに適切な病院・診療所を提案します
手首が動かしにくいの基礎知識
概要
手首の動かしにくさは手首の酷使に伴う腱鞘炎や、ケガに伴う捻挫からくることが多いです。スマートフォンの使いすぎによるドケルバン病と呼ばれる腱鞘炎も近年増えてきています。強い力がかかったケガをしたわけではなく、痛みや痺れも軽度であれば、数日様子をみることは通常可能です。
一方、週単位で症状が続く人は一度は近くの整形外科を受診するのがよいと考えられます。整形外科の中でも手は専門性の高い部位なので、必要に応じて手や手首が専門の整形外科に紹介してもらえます。
原因とメカニズム
手首の動きは、小さい骨(手根骨)と腕の骨(橈骨・尺骨)、それらをつなぐ靭帯や筋肉、神経が複雑に連動することで成り立っています。 動かしにくさが生じる原因は、関節そのものの炎症や変形、筋肉を動かす指令を伝える神経のトラブル、あるいは腱のスムーズな動きが妨げられることが挙げられます。
考えられる病気やケガ
手首が動かしにくくなる原因として考えられる代表的な病気・ケガには以下のようなものがあります。
変形性手関節症
変形性関節症は長年の酷使や過去の怪我によって軟骨がすり減り、関節が変形する病気です。動き始めに重だるい制限を感じたり、末期には骨がぶつかり合うことで可動域が著しく狭くなったりします。
腱鞘炎(ドケルバン病など)
腱鞘炎が進行すると痛みだけでなく、腱の通り道が狭くなることで物理的にスムーズな動きが妨げられます。動かそうとすると「カクッ」とする、あるいは特定の方向に曲げにくいといった症状が出ます。
関節リウマチ
関節リウマチは免疫の異常により関節に炎症が起こる病気です。初期症状として「朝方に手首や指がこわばって動かしにくい」という症状がよく見られます。両手首に症状が出ることが多いのも特徴です。
橈骨神経麻痺(下垂手)
橈骨神経麻痺は、腕を通る「橈骨神経」が圧迫されることで、手首を持ち上げる筋力が失われる状態です。朝起きたら急に「手首がだらんと垂れ下がって持ち上がらない」という症状が特徴です。枕で腕を圧迫して寝てしまった時などに起こります。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
手首の小指側にある軟骨や靭帯の組織(TFCC)を痛めるケガです。手首を捻る動作(ドアノブを回す、重いものを持つなど)で痛みや引っかかりを感じ、スムーズに動かせなくなります。
受診の目安
以下のような人は整形外科の受診を検討してください。
・手首がだらんと垂れ下がったまま、自分の力で持ち上げられない
・怪我のあと、数週間経っても動きが改善しない
・朝方に手首や指がこわばって動かしにくい状態が続く
・特定の動作(手をつく、ドアノブを回すなど)で引っかかりや強い痛みがある
「力が入らない」「全く動かせない」という場合は、神経や腱の重大な損傷の可能性があるため、早めの受診が必要です。
診療科
整形外科
手首の痛みの診断・治療に精通しています。近くの整形外科を受診するようお勧めします。整形外科の中でも手は専門性の高い部位なので、必要に応じて手や手首が専門の整形外科に紹介してもらえます。
救急科
整形外科の専門医に平日の日中に診てもらうのが望ましいですが、それまで様子を見られないほどの強い痛みや腫れがあれば、救急外来を受診することも検討してください。
検査
手首の症状に関連した検査には、次のようなものがあります。
レントゲン検査
骨折の有無を簡単に調べることができます。
CT検査
骨折の有無を精密に調べることができます。
MRI検査
骨や周囲の腱の様子を精密に調べることができます。
神経伝導速度検査
神経に電力を流して、指令が正しく伝わっているかを調べます。「下垂手」などの麻痺が疑われる際に行います。
治療
原因により異なりますが、主な治療法は以下の通りです。
・装具療法: サポーターや添え木で固定し、安静を保ちます。
・リハビリテーション: 硬くなった関節を動かしたり、筋力を鍛えたりします。
・薬物療法: 炎症がある場合は湿布や飲み薬、必要に応じて関節内への注射を行います。
・手術: 神経の圧迫が強い場合や、骨の変形が著しい場合には検討されます。
セルフケア
無理に強い力で動かそうとすると、かえって炎症を悪化させることがあります。お風呂などで温めてから、痛みのない範囲でゆっくりとストレッチを行うのは有効ですが、痛みが出る人はすぐに中止してください。改善が見られない人は、自己判断で続けずに専門医のアドバイスを受けてください。